母乳ってどんなもの?
母乳は栄養面ではパーフェクトな飲み物なんです。赤ちゃんを育てるためには母乳が一番良いです!
でも、母乳のすごさは栄養面だけではなくて、赤ちゃんの免疫力を高めるという健康にも大変大きな役割があるんですよ。
母乳がどのように作られて、どのような仕組みで赤ちゃんに届けられるのか?
母乳の事をしっかりと学ぶことで、日々の食生活やケアに対する考え方が変わるかも知れません。
母乳は、お母さんの“血液”から出来ている!!
おっぱいが「血液」から作られるって知っていましたか?
ママの母乳の中、乳房の乳腺にはたくさんの毛細血管が張り巡らされていて、この毛細血管から、血液に溶けている栄養素が浸透してきて母乳になるのです。
血液が浸み出したモノと言っても、母乳は白く、血のように赤くはありませんね?
血液は、赤血球が含まれているから赤いのですが、母乳として浸透してくる栄養分に赤血球は含まれてこないためです。しかし、アルコールやタバコのニコチンは、血液に溶けているので授乳中の飲酒や喫煙は控えた方が良いでしょう。
ママの血液が母乳になる!赤ちゃんに届けられる栄養は、昨日今日とママが食べた食事なのです。
赤ちゃんのために、ママが健康で居ることが大切ですね。
母乳が出る仕組み
妊娠すると、黄体ホルモンや卵胞ホルモンが分泌され、母乳を出すための準備を始めます。乳房が大きくなるのはこのホルモンの影響です。
赤ちゃんが生まれると黄体ホルモンや卵胞ホルモンは分泌されなくなり、代わって脳下垂体前葉からプロラクチンというホルモンが分泌され乳房で母乳がつくられます。そして赤ちゃんが母乳を吸うことにより、オキシトシンというホルモンが分泌され、母乳が出されるようになります。
オキシトシンは、赤ちゃんが母乳を吸うという刺激によって分泌が促進されるので、赤ちゃんにしっかり吸わせてあげることが大切なのです。
赤ちゃんが成長していくステップに合わせて、お母さんの体も変化しているんですよ。
母乳は栄養分がいっぱい!!
最近母乳の素晴らしさが見直されてきています。
科学の進歩で、母乳が赤ちゃんにとって「最適・最高の栄養」であることがわかってきたのです。母乳には、赤ちゃんが成長するのに必要な栄養素がちょうど良く含まれていて、しかも、その時々で、赤ちゃんに必要な栄養素のバランスが変わるのです。
たんぱく質
母乳に含まれるたんぱく質は、アルブミンとカゼインがほぼ等量含まれています。一方牛乳は、カゼインが多く含まれています。このカゼインは胃酸と反応して固まりになりやすく凝固してしまいます。
ですから、母乳のたんぱく質の方が赤ちゃんの体に消化吸収され易く体に優しいと言えるのです。
脂肪
脂肪は、赤ちゃんにとってとても大切なエネルギーです。この脂肪は、ママの食事の影響を受けやすく、授乳のたびに味が変わります。飲み初めと飲み終わりでも変化すると言われているくらいです。
また、母乳の中には必須脂肪酸のリノール酸が豊富に含まれていることも特徴の一つです。
糖類
母乳には、牛乳の約1.5~2倍もの乳糖が含まれています。
ビタミン・ミネラル
母乳にはビタミンやミネラルがとてもバランスよく含まれています。牛乳と比べるとカルシウムやリンなどは1/4~1/6と少なく腎臓への負担が少ないといえます。
そのため赤ちゃんの鉄分の吸収率はとても高く、約50%と言われています。(牛乳は、3~5%)
母乳で育った赤ちゃんは鉄欠乏性貧血を起こすことはまれですが、離乳期に牛乳に切り替えた場合、鉄欠乏性貧血のリスクが高まります。